第二言語習得(second-language acquisition)
①子供の言語学習
子供は言語の天才だと言われる。
これには理由があって、大体6歳位まで人間の脳は凄く神経細胞が増える
特に顕著なのが聴覚野と言われる部分
幼少期に虐待されるとここが伸びないし、幼少期に楽器を習わせるとここが伸びる
わかりやすい例を出すと、絶対音感だ
絶対音感は六歳以上だと、どんなに楽器を習わしても習得出来ない
脳の神経細胞が増えないからだ
そう言うと、それから先の楽器を習わせることや、言語学習が無駄のように聞こえるが、そうではない
相対音感というのもあるし、耳でネイティブのように聞き分けられなくても、大体文脈で理解できる
子供が、この時期に言葉の音を理解できるようになるのと同時に、子供は母国語に囲まれた環境に24時間置かれることになる
仮に子供が毎日8時間母国語の勉強をしてるとして、5歳までに14600時間勉強していることになる
一般的には17520時間と言われてるらしい
どっちにしても、普通の我々の第二言語学習の時間と比べても圧倒的な量である
日本の学校で英語の勉強してる時間は小中高大学まで合わせても、平均で1200時間もいかない
一般的に英語を習得するのに想定される時間は最低で2200時間と言われてる
天才になるには10000時間の練習が必要というのがマルコム・グラッドウェルの説である
つまり、そもそも圧倒的に勉強時間が足りてないのである
②インプットの問題
インプットが大事なのは言うまでもない
自分の中で消化、吸収して獲得してないものは、個性でもなんでも、外に出すことなど不可能だ
人間は情報の83%が視覚野で処理される。つまり文字だ
次に11%が聴覚野で処理される。つまり音だ
さて、言語学の中には文字こそが言語という学派があるが、言語学の話をするとそのまま脱線して哲学の話まで飛んでしまうから、ここでは差し控えておく
子供の頃の言語学習も同じだが、人間は最初音で言葉を覚える
現に世界中で音があるけど、文字はない言語族がすごい数ある
そう考えると文字は後からの情報である
しかし、大人になった我々は、音と文字を同時に理解することができるので、音だけの頃の学習よりはるかに学びやすい
音と文字のconnectionがしっかりしてると、文字を見て発音できるし、音を聞いて、文字に書くこともできる。これは一石二鳥だし、別々に覚えるのは二度手間である
だからこそ、音読やシャドーイングが推奨されているのである
③動機づけ
動機づけは簡単で、動機がないと勉強する気が起きません
だから、動機はいっぱい書き出しましょう
あと楽しみながら勉強しましょう(これが一番難しい)
④レベル設定
大体読めない単語ばかりの文章を読んでも理解できません
i+1が最適とされており、iが自分の英語能力です
これより、少し難しい文章をいっぱい読みましょう
明らかに読めなかったら、まだ時期ではありません
⑤数字化
勉強時間、勉強量、正答数など、なるべく数値化しましょう
これによって、自分の学習のメタ認知が出来ます
⑥個性に合った勉強法をしましょう
どんな勉強方法が合ってるかは自分で試してみるしかない
ただ、王道は音読である
⑦マズローの欲求5段階説
マズローって心理学者の話になります
簡単に言うと人間は5段階の欲求に寄って成り立ってるって話です
衣食住とかのレベルの欲求が満たされてないと、英語なんか出来ないよって話です
英語の学習とは自己実現の欲求と言って、段階的には一番上です
つまり、勉強して、何かを得るのに、自分の生活が保証されてないと出来るはずねーじゃんって話です
詳しくはググってください
さてここまでは駆け足ではありましたが、ここまでの内容は下記の「英語学習のメカニズム: 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法」廣森友人 を参考に書きました。
現在他に4冊の脳科学とSLA(second language acquisition)についての本を読んでますが、読みきれてないのと、この本が一番わかりやすく簡潔に書かれてる印象を受けましたので、ご紹介させていただきました。
SLAに関しては今後も何かわかったらブログで書こうと思っている次第です。
てれさ マズロー語ります(笑)
マズローの欲求には5段階あり、ピラミッド型でよく表示される。
第一段階:生きていく上で最低限の生理的欲求(正常に呼吸する・適切に飲食する・身体の老廃物を排泄する・移動、好ましい肢位を保持する・睡眠・休息をとる・適当な衣服を選び、着脱する・衣類の調節、環境の調整により体温を正常範囲に保持する・身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する)が満たされると
第二段階:安全な生活への欲求(環境の危険因子を避け、他者を傷害しない・自分の感情欲求、恐怖あるいは「気分」を表現して他者とのコミュニケーションをもつ)を求める。ここまででは社会の中で生きていくことができないため次の
第三段階:所属と愛の欲求へ進もうとするがここからが難しくなってくる。なぜなら他者と共存する必要があるからで、グループや恋人や家族に所属し好意や愛情を注がれて、
第四段階:自尊の欲求(達成感をもたらすような仕事をする・遊びやレクリエーションに参加する)を得ようとする。そして認められる(承認)されることで満たされる。誰かに認められたり愛されているという実感と自信によって次の
第五段階:自己実現(正常な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる)へと向かう。
第3・第4で四苦八苦している人を多く見る。5段階目へと向かい、実現する人はよほどの努力をしている人だと尊敬している。
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2018.08.05 13:19